WBC日本代表(侍ジャパン)のメンバーに、カージナルスのラース・ヌートバー外野手が選ばれたことが話題。
ヌートバー選手は、お母さんが日本人の日系人。
日系人が侍ジャパンに選ばれたのは初めてということですが、「日本代表にふさわしくない」という意見も多いです。
「日本代表にふわさしくない」理由として言われているのが、「日本語がしゃべれない」ということ。
日本語がしゃべれなくて、アメリカ国籍で、アメリカに住んでるなら、「それはアメリカ人じゃん」というのは真っ当な意見だと思います。
なぜ、ヌートバー選手は、日本語がしゃべれないのに、WBC日本代表の侍ジャパンメンバーに選ばれたのか?
ヌートバー なぜ日本代表?
ヌートバー選手は、アメリカ出身のアメリカ人で日本語がしゃべれません。
日本語が話せないアメリカ人のヌートバー選手がなぜ、WBC日本代表「侍ジャパン」に選ばれたのか?
ヌートバー選手が日本代表に選ばれた理由は、母親が日本人だからと言われています。
ヌートバー選手は何者か?ということは「プロ野球スタジアム」さんの動画が詳しく解説されています。
ヌートバー なぜ日本代表? 出場資格条件が緩い
WBCの出場資格(2020年)は以下の通り。
1.当該国の国籍を持っている
2.当該国の永住資格を持っている
3.当該国で出生している
4.親のどちらかが当該国の国籍を持っている
5.親のどちらかが当該国で出生している
6.当該国の国籍またはパスポートの取得資格がある
7.過去のWBCで当該国の最終ロースターに登録されたことがある
引用 WBC ウィキペディア
ヌートバー選手はアメリカ出身のアメリカ人ですが、お母さんが日本人ということでWBC日本代表として出場します。
出場資格としては、4、または5が当てはまります。
ヌートバー なぜ日本代表? 出場資格が緩すぎない?
WBCの出場資格条件を見て、「WBCの出場資格、緩すぎない?」と思った方は多いはず。
また、ヌートバー選手ぐらいの選手なら、「日本人選手でいくらでもいる」と考えた方も多いのではないでしょうか。
WBCの出場資格を緩くしているのには理由があります。
WBCの出場資格条件が緩い理由とは?
なぜ、WBCの出場資格が緩いのか?というと、この条件は日本だけに適応するルールではないということ。
日本は野球が強いですし、人材も豊富です。
しかし、世界レベルで見ると、野球はかなりマイナーなスポーツ。
世界的には競技人口も少なく、プロチームも限られています。
そのため、日本のように、自分の国の選手だけで世界レベルで戦える選手を揃えられるのは一部の国だけ。
今回のWBCも、参加国は20国ですが、結局のところ、日本、アメリカ、韓国、中米の国が上位に来るのは確実です。
日本と世界の野球の実力差が違い過ぎる
世界大会と言ってもレベルの差は明白。
高校野球で、地方大会で何とか勝てる高校が、大阪桐蔭と戦うようなものです。
今回、日本と同じグループBに中国がいますが、2月23日に行われた練習試合で、日本のアマチュアチームにボロ負けして話題に。
23日には、同組の中国代表が社会人野球のエイジェック(栃木)に0-16で敗れている。
引用 ヤフーニュース
高校時代、県大会で全国レベルの高校と当たると、こんな感じでボロ負けするのを思い出しますが、実際、それぐらいのレベル差はあると思います。
これぐらいのレベル差があると、「1勝する!」という発想もなくなり、もはや、ただの思い出づくり。
出場条件を厳しくすると更にレベルが下がる
現在のWBCの各国のレベル差は「思い出づくり」と言えるほどの実力差があるのが現状。
これだけの実力者がある段階で、出場資格を厳しくするのは、更にWBCという世界大会の質の低さを露呈することになりかねません。
それを考えると、現状では、出場資格を厳しくするのはWBCの将来を考えると得策ではないと言えます。
ヌートバー なぜ日本代表? 日本人で良くない?
世界的に見れば、出場条件が緩いことにメリットはあります。
しかし、日本には人材が豊富ですし、ヌートバー選手をあえて日本代表に選ぶ必要性は感じられません。
なぜ、ヌートバー選手を日本代表に入れる必要があるのか?
考えられる理由としては、日本やアメリカは、今後、野球を世界規模のスポーツに拡大していくためのリーダー的な国だと言えます。
リーダー的な国である日本やアメリカが、率先して、こういったルールを利用していくことは、今後の野球にとってとても意味のあることだと考えられます。
また、世界規模で野球のレベルを上げるためには、グローバル化が必要になりますし、そもそも、WBCは野球のグローバル化を目的として始まった大会。
WBCは野球のグローバル化が目的で開催
WBCは、「世界一野球が強い国はどこか?」という目的で開催されているというイメージです。
しかし、野球をグローバル化し、収益を拡大することがWBCを開催する本来の目的。
2000年代初頭からメキシコや日本等のアメリカ合衆国内以外でMLB開幕戦を開催するなどして、本格的なMLBの世界進出(グローバル化戦略)によるMLB拡大と野球マーケットの拡大、それに伴う収益の拡大を目指していたMLB機構のバド・セリグコミッショナーは「野球の世界一決定戦」の開催を提唱。
関係各所で国際野球連盟(IBAF)主催の大会に出場していないメジャーリーグ選手を中心とした各国のプロ・アマ野球リーグ選手による国別世界一を決める国際大会の開催へ向けて協議がなされてきた。
引用 ウィキペディア WBC
日本では考えられませんが、世界規模で見ると野球は、かなりマイナーなスポーツです。
2020東京オリンピックでは競技種目でしたが、次回の2024年パリオリンピックでは落選。
世界規模で見ると野球の知名度は低く、人気が高いのは、北米、中米、日本、韓国、台湾などの特定の国に限られています。
そのため、野球全体として考えられているのが、野球競技のグローバル化。
世界規模のスポーツとして認知してもらうための一環として、WBCは開催されています。
栗山監督もグローバル化を意識
栗山監督も、ヌートバー選手が侍ジャパン入りを承諾したことに対してこのように話しています。
「グローバル化していく中で、いろいろなところで野球をやっている人たちが集まって野球をやるのは凄く意味がある。本人にも“歴史の第一歩なんだ”と伝え、凄く喜んでくれていた」
引用 スポニチ
栗山監督は、ヌートバー選手を侍ジャパンのメンバーに選んだことを「(グローバル化に向けての)歴史の第一歩」と表現しています。
WBCは、野球のグローバル化を目的として2006年から開催されていますが、世界的な知名度は未だに低いのが現状。
世界的な知名度どころか、本場アメリカですら「WBCって何?」という状況らしい。
関連記事:WBCの参加国少なすぎ>WBCの参加国はなぜ少ない?他の国が弱すぎて開催する意味ある?
WBC なぜアメリカで人気が無い?知名度が低い理由は?
WBCは、MLB、つまり、メジャーリーグが立ち上げた大会です。
開催場所も、アメリカの球場で開催される世界大会なのですが、アメリカでの知名度は相当低いと言われています。
WBCがアメリカで人気が無い、知名度が低い理由が、
・WBCの歴史が浅い
・アメリカ人の国民性
WBCがアメリカで人気が無い理由 歴史が浅い
WBCは2006年から開催されています。
4年に1度開催なので、今年のWBCで5回目。
開催数が少なく、まだまだ歴史が浅いというのは納得です。
WBCがアメリカで人気が無い理由 アメリカ人の国民性
アメリカでWBCが人気が無いもう一つ理由が、アメリカ人の国民性。
アメリカ人の国民性として、他の国のように熱狂的にスポーツ観戦はします。
しかし、アメリカ人が熱狂的になるのは、国内で行われる、プロリーグや大学リーグなど。
オリンピックなども、日本のようにお祭り騒ぎすることもないそうです。
日本人にとってWBCは、「世界で一番野球が強い国を決める大会」というイメージです。
しかし、アメリカ人の発想だと、「世界一を決めるのはメジャーリーグのワールドシリーズ」
アメリカでの知名度アップがグローバル化の第一歩
【こんな人】侍入り確実ヌートバー、母は日本人 高校時代は野球とアメフトで複数回MVP https://t.co/s7VZmKdv2l
— ふくださん (@fukudasun) January 11, 2023
野球のグローバル化戦略としてWBCが開催されています。
しかし、本場アメリカですら知名度が低く、盛り上がっていないのが現状。
これから、WBCを世界的な大会に育てていくには、本場アメリカの人気が高まらないと話になりません。
ヌートバー選手はメジャーリーグでも人気が高い
本来なら、アメリカ代表として出るのが当たり前のヌートバー選手が日本代表の侍ジャパンで出場することは話題性としては高いと言えます。
ヌートバー選手は、メジャーリーグの中でも人気のある選手なので、注目度は高いです。
MLB公式放送局がMLB最強右翼手を決める投票を行ったが、ヌードバーはヤンキースのアーロン・ジャッジ外野手に離されているものの、それに次ぐ2位クラスの支持を受けた。
メジャーファンたちは「圧倒的にラーズ・ヌートバー」「一人は62本塁打でMVPを獲得した男と、もう一人はラーズ・ヌートバーという男。引き分けだ」「ヌーーーーーート」「ラーズ・ヌートバーはまだ全力の10%しか出していない」「ラーズ・ヌートバーで議論の余地なし」「ラーズ・ヌートバーという名前だけでも彼しかいない」と次々に猛プッシュした。
引用 THE ANSWER
ヌートバーと大谷翔平が侍ジャパンで共闘
今回のWBCには、大谷翔平選手も出場します。
ヌートバー選手は、大谷翔平選手と共闘できることが楽しみと話しています。
「彼の練習の仕方、取り組みをじかに見られることにワクワクしている。彼はユニコーン(現実離れした存在)。その才能を目の当たりにできることに超興奮している」
引用 ヤフーニュース
大谷翔平はWBCに出場しない方が良い
大谷翔平選手は、ベーブルースの記録を塗り替えた選手なので、アメリカだけでなく、世界中の野球ファンから注目される選手。
しかし、大谷翔平選手がWBCに参加することに否定的な意見も多いです。
否定的な意見が出るのは、「WBCよりリーグ戦が大事」と考える人が多いということを証明してると言えます。
ヌートバーと大谷翔平でアメリカも注目
ヌートバー選手も、大谷翔平選手も、アメリカで人気の選手。
2人が侍ジャパンで共闘することで、WBCの知名度アップに一役買ってくれると思います。
また、前回の大会と比べてアメリカの注目度は高いと予想されます。
理由としては、前回(2017年大会)の優勝はアメリカなので、アメリカとしては連覇がかかっています。
WBC 歴代の優勝国
第1回 2006年 日本
第2回 2009年 日本
第3回 2013年 ドミニカ共和国
第4回 2017年 アメリカ
WBCが本場アメリカで知名度が低かった理由として、これまで優勝できなかったというのも一つの原因だと思います。
日本が優勝することは、日本人として嬉しいですが、野球のグローバル化が進まないということを考えると複雑な気持ち。
今後、野球が盛り上がっていくためには、予想外の国の優勝があっても面白いと思います。
ヌートバーが侍ジャパンに選ばれた理由【まとめ】
ヌートバー選手が、WBC日本代表(侍ジャパン)メンバーに選ばれました。
ヌートバー選手の母親は日本人ですが、ヌートバー選手の国籍はアメリカで日本語はほとんどしゃべれません。
母親が日本人という以外、完全にアメリカ人と言えるので、「なぜ日本代表に?」という否定的な意見も多いです。
しかし、野球のグローバル化を考えると、ヌートバー選手が日本代表になることは話題性もあって注目されると予想されます。
今回の大会も日本が優勝してほしいのが本音ですが、野球の未来を考えると、予想外の国が優勝しても面白いと思います。
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